EMBA学習日記【01】

2021年4月9日(金)

千葉商科大学大学院:「中小企業人本経営(EMBA)プログラム1年コース」がスタートしました。

このプログラムは、同大学院と人を大切にする経営学会が共同開講するもので、中小企業経営に特化し、「関わる人々の幸せ」を実現する経営学を体系的に学ぶためのコースです。講師は、人を大切にする経営学会会長坂本光司先生をはじめとした学者・研究者、実務家と、「人を大切にする経営」を実践している著名経営者の皆さんです。受講生は私を含む数人の士業、コンサルタント業者を除き、ほとんどが代表取締役や経営幹部・候補者の皆さんです。

初日は、入学式と第1講義がありました。

入学式では、主催者である千葉商科大学大学院と人を大切にする経営学会、及び同学会顧問でもある中小企業基盤整備機構理事長、同学会副会長の皆さんから心のこもった激励のご挨拶がありました。

第1講義は、株式会社日本レーザー代表取締役会長近藤宣之特命教授の「ダイバーシティ経営」

同社では、社員60名弱の中小企業ながら、外国人や同業他社や異業種大企業からの再就職者を積極的に受け入れ、積極的に外部研修・教育の場を提供して、幹部社員として活躍させています。社員全員の研修費用は、利益の1%、社員一人当たり年間約50万円に上るというから驚きです。また、社員幸福度第一を追求し、学歴・性別にかかわらず処遇し、会社都合で解雇することは絶対しない。がん闘病中でも地位と待遇を維持し、働く人個人や家族の事情優先の多様な働き方を選択できるようにしています。安心して働くことができる環境のもとで、「やりたい仕事ができる」「言いたいことが言える」風土と成長支援の制度を整えてきました。全員が信頼・魅力・共感を意識し、お互いをリスペクトできるような関係をつくる。すべてのステークホルダーに対しても、同じような関係が持てるよう努力してきたと言います。

同社では、「企業の存在意義は、働く人とその家族を幸せにすること」としており、その経営理念のもとに望ましい社員像を明示し、クレドや「毎日の気づき」等の実践により経営理念の浸透をはかるとともに、それらを評価項目に加えることで「利他」の企業風土を育んでいます。

こうした取り組みにより、構造不況業種(近藤先生談)といわれる厳しい経営環境の下でも、27年連続黒字を達成。社員発案の事業が軌道に乗り、コロナ禍の今期も増収増益を見込んでいるとのこと。社員の「圧倒的な当事者意識」と「前向きな危機意識」を育み、経営活力を作りだした結果です。

近藤先生は、現在までの道のりと数々の「仕掛け」について、惜しげもなく示してくれました。「社長が変われなければ、会社が変わらない」との言葉も、ご自身のご苦労の多い実践とともに語られるので、深い説得力がありました。
短文では書ききれない、多くの学びがありました。整理して、今後の活動に生かしたいと思います。心から感謝!

近藤先生は多くの著書がありますが、近著社員を生涯大切にして圧倒的な利益を上げる「中小企業の新・幸福経営」』(日本経営合理化協会出版局)がおすすめです。リーダーのあり方から、経営戦略、人事制度、風土作りのノウハウまで、「良い経営」のヒントが体系的に学べます。

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