2021年5月15日(土)
- 第4日目「中小企業経営事例研究②」
- 講義&ゼミ[1]企業や経営に関する情報提供・講義
冒頭、ATUホールディングスの取り組みが話題に提起されました。障がいを持つ社員への感動的な対応と、社会のありかたを問うお話(ここでは抽象的な内容に留めますが)でした。さらに広野鐵工所、コープ宮崎などの優れた事例にも話題を広げながら、研究の深め方についてのレクチャーを受けました。
また、藤井教授より、第12回「日本で一番大切にした会社大賞」の応募基準・審査基準の解説がありました。
応募資格は次の6つの基準をクリアしていること
- 希望退職の募集や人員整理(リストラ)をしていないこと。
- 重大(死亡や重傷)な労働災害を発生させていないこと。
- 一方的なコストダウン等理不尽な取引を強要していないこと。
- 障がい者雇用率は(実質)法定雇用率以上であること。
- 営業黒字で納税責任を果たしていること。
- 下請け代金遅延等防止法等の法令違反がないこと。
第1次審査基準(経営評価)は、五方良し経営を示す指標による評価
- 賃金が業界平均以上で、月30時間以上の残業をしている社員がいないこと。
- 年次有給休暇取得率70%以上
- 社員満足度調査を2年に1回以上行っているか
- 自己資本比率50%以上、社員一人当たり年間教育費が平均10万円以上
──などの50項目の指標により審査されます。
多くの企業には高いハードルであると思われますが、年々応募者は増えているとのこと。
審査をきっかけに課題が掘り起こされ、改善努力を経て再チャレンジ、受賞に至る企業もあるそうです。
この制度が経営改善の促進効果を生み出していると感じます。
- 講義&ゼミ[2]グループの研究報告
坂本先生の著書『「新しい資本主義」のマネジメント入門』の導入部分の講義に始まり、感動エピソードの輪読に続いて、グループの研究報告。
研究報告は、各グループが2社ずつ調べた企業の概要を順次5分程度で報告し、先生から補足と講評を受けました。
私が所属するグループは、株式会社琉球補聴器とメック株式会社を報告。
各グループによって報告される会社は、それぞれに個性的で素晴らしい取り組みをしていることが学べました。
- 講義&ゼミ[3]グループの研究発表。
パワーポイントによる10分の発表と質疑を行い、坂本先生から補足と講評を受けました。
私も島根電工株式会社についての報告を行いました。
講義レポートに加えて、賃金センサス分析や、卒業までの課題となるプロジェクト研究のテーマの決定、各グループ3社の研究など、多くの楽しい宿題も与えられ、意欲の高まる講義でした。
当日は多くの資料とともに、人を大切にする経営学会の機関紙「人を大切にする経営」創刊号が配布されました。人を大切にする経営のあり方やヒントを学べる実践例が豊富に掲載されており、多くの企業経営者やコンサル業の方に手に取っていただきたい本です。もうじき、人を大切にする経営学会のHPから購入可能になるようです。
また、前期受講生の二つの共同研究から『高齢者が最も多く購入する商品と10年後の市場規模に関する調査』『人口動向から見た市町村の衰退分析』の2冊が配布されました。
コメント